安井眼科医院

眼科外来診療一般

〒455-0831 愛知県名古屋市港区十一屋2-416
TEL (052)389-1185

※上記QRコードを読み取っていただきますと、一般の携帯からは携帯サイトが、スマートフォンからは、スマートフォンサイトが閲覧可能です。

メニコン メルスプランはこちらをご覧下さい

眼のアンチエイジング

眼のアンチエイジング

アンチエイジング(抗加齢)とは
長寿大国である日本は、数十年後には3人に1人がお年寄りになるのが予想されています。そこで近年、脚光を浴びてきたのが「元気に長生きする」ことをテーマにした、健康を科学する 医学「アンチエイジング(抗加齢)」です。今までの医学が病理学に基づいて疾病を科学するものであったのに対し、アンチエイジング医療は老化を遅らせることによって、病気にかかりにくい 体質を維持することを主眼にしています。つまり、積極的な予防医学といえます。世界各国でも抗加齢医学会が設立され、抗加齢医学の専門医制度も発足しています。ひとが 「老化」を感じるのはどんな時でしょうか?眼に関して最も多いのが“最近、新聞の字が見えづらい。昔は何でも見えたのに遠くも近くもピントが合わなくなった”、いわゆる老眼です。 眼科や耳鼻科の領域、つまり感覚器官の衰えを自覚して初めて老化を感じる方が多いのではないでしょうか。その他の症状としては、“眼が開けづらくなった”、“涙が出る”、“眼がしょぼしょぼする” など多彩です。加齢現象は全身にわたるものですが、眼や耳の老化はそれを自分自身で直感できる代表的な自覚症状のひとつなのです。以下、眼科領域のアンチエイジングを示してみます。
 

 

眼疾患の予防(生活習慣の改善やアイテムの活用によって眼を保護する)

現代人の眼はさまざまなストレスに曝されており、例えば、

○オゾン層の破壊による有害光線への曝露
○IT機器の長時間使用によるドライアイや眼精疲労
○喫煙や過食、高脂肪・高塩分食、過度の飲酒などから引き起こされる眼内・体内への活性酸素(身体をさびつかせる悪玉物質)の貯留

これらが重なって加齢性黄斑変性症・白内障・糖尿病網膜症などの眼の成人病につながります。眼の成人病は「光刺激による老化」と「眼内の血管の老化」が主原因で、その予防対策が必要です。

A)太陽光線(紫外線)は眼疾患の発生や進行のリスクファクター

光は波長によって色が違って見えますが、人間に見える光よりも波長が短い光が紫外線(UV)です。紫外線はその波長により3種類(UVA、UVB、UVC)に分けられますが、フロンガスの増加によるオゾン層 の破壊のため、今まで地上に届かなかったUVCも人間に曝露されています。これらの紫外線は角膜障害や白内障の発生にもつながります。サングラスを使わずに長時間、スキーや海水浴に行って眼が真っ赤になったり、痛くなったことが誰でも身に覚えがあるでしょう。さらに、可視光線の中でも短波長で高エネルギーの紫青色光 は網膜に障害を引き起こす原因となることも判明しています(加齢性黄斑変性症など)。今後、環境破壊が進むと、眼疾患が急激に増加する心配もありますから、現代人にとって有害光線から眼を護るアイテム(遮光グラス)が必須となる日が近いかもしれません。特に緑内障や網膜疾患を有する方には遮光グラスを勧めます。

B)食生活および適度な運動

糖尿病や高血圧、高脂血症などの成人病は網膜血管閉塞症や糖尿病網膜症の発生につながります。定期的な体重のチェックや軽い散歩などを心掛けると良いでしょう。メタボリック・シンドロームの予防に“特定健診”も本年から開始されましたので、それを利用するのも一考です。

1)眼に良い食生活と栄養療法

○眼と体の生活習慣病を予防するためには、まず第一に抗酸化力の強い色素成分を多く含む新鮮な緑黄色野菜などを毎日摂取することです。
緑黄色野菜に含まれる抗酸化色素である「カロチノイド」を継続して摂取することは、眼内の酸化ストレスを消去して、眼の成人病を予防することにつながるのです。

○このような抗酸化色素成分に加えて、抗酸化ビタミンであるビタミンCとEや良質のタンパク質、抗酸化ミネラル等の必要な栄養素もバランス良く摂り、同時に全体の摂取カロリーを減らす方法が眼と体の若さを保つ長寿の秘訣です。


2)抗酸化力をアップする抗酸化色素

(1)β-カロテン
ビタミンAになる前段階の脂溶性の色素成分のカロチノイドで、その抗酸化作用によって活性酸素を取り除き、視力を保持し、皮膚や眼の粘膜を正常に保ち、細胞膜が傷つけられるのを防いでくれます。
ニンジン、カボチャ、ブロッコリー、ホウレン草などの緑黄色野菜に多く含まれます。

(2)リコピン
トマトやスイカなど赤黄色野菜に含まれるカロチノイドです。その抗酸化作用は、β-カロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上です。そのため、乳癌や白内障の発生率が抑えられるという研究報告もあるのです。一日にトマトジュース1缶を飲めば、充分な摂取量です。

(3)ルテイン
ホウレン草やケール、ブロッコリー、芽キャベツなどの緑黄色野菜などに豊富に含まれる、非常に抗酸化作用の強い黄色や赤色の色素成分のカロチノイドです。このルテインは、紫外線や青紫色光をそのフィルター作用によって吸収し、発生する活性酸素を消去して眼を保護する作用があります。特に最近、加齢性 黄斑変性症や白内障の予防と進行を抑えるための非常に重要な色素成分として注目されています。いろいろな製薬会社からもサプリメントとして販売されております。緑内障や老眼、近視にも効くようです。

(4)アスタキサンチン
アスタキサンチンもカロチノイドの一種で、ビタミンEの約1000倍もの強力な抗酸化作用をもち、「スーパーカロチノイド」と呼ばれています。網膜にある黄斑部の障害を改善する効果と視力の向上に有効であることが確認されています。サケやイクラ、エビ・カニ等に含まれる桃赤色の色素成分で、血中の悪玉コレステロールの酸化を抑える効果もあります。眼科領域でも最も期待されるカロチノイドのひとつです。

(5)ビタミンC
ビタミンCは活性酸素を消去し、過酸化脂質の生成を抑える水溶性の抗酸化物質であると共に、ビタミンEを再生することのできる重要な役割を果たしています。人間が体内で作り出せないビタミンで、水溶性であるため体内に貯蓄できず、特に、喫煙や過度のアルコール飲用、ストレス、激しい運動や肉体労働、無理なダイエット等で著しいビタミンCの不足を招きます。ビタミンCはビタミンEやβ-カロテンと併用することで、その相互作用により抗酸化力がアップします。
レモン、キウイ、アセロラ、グアバ、パセリ、ニガウリ、ブロッコリー、緑茶、リンゴなどに多く含まれます。ビタミンCと併せてビタミンE、β-カロテン、亜鉛を摂取することで加齢性 黄斑変性症の発生と進行を抑制することが米国の疫学調査において認められています。また、ビタミンCは水晶体内にも存在して、水晶体を透明に保つ作用も認められ、厚生労働省の調査研究においても、ビタミンC摂取による白内障の予防効果が確認されています。

(6)ビタミンE
ビタミンEは強い抗酸化作用がある脂溶性の物質です。数あるビタミンの中で、β-カロテン・ビタミンC・ビタミンEは、活性酸素が体内で発生するのを防いだり、酸化やすい過酸化脂質の生成を防ぐなど高い抗酸化作用と相互作用を持っており、この3つを併せて“ビタミンACE(エース)”と呼ばれています。抗酸化作用以外に、血液の流れをスムーズにする働きや新陳代謝を活発にする効用もビタミンEの大きな特徴です。このため、加齢性 黄斑変性症の予防や糖尿病網膜症の治療薬としても使用されています。

(7)コエンザイムQ10
コエンザイムQ10というのは、体内の細胞の中でエネルギーを作り出している「ミトコンドリア」を活性酸素から守り、正常に働かせるために欠かせない補酵素のひとつです。心臓などの臓器や筋肉が働くためのエネルギーを生み出すことに関与すると共に強い抗酸化力があり、血管内の悪玉コレステロールが酸化するのを抑えます。また、抗酸化作用のあるビタミンEを再生させる重要な働きもしています。このように、ビタミンEと共に併せて摂ると抗酸化力や免疫力を高める働きに相乗効果が生まれ、眼と体の疲労回復や血流改善にも効果が期待できます。コエンザイムQ10は、体内の細胞に含まれている成分ですが、20代をピークに年齢と共に減少していくため、活力と若さを細胞レベルでも維持するために補充すべき大変重要な成分です。

(8)アントシアニン
黒豆の皮やカシス、野生型のブルーベリー(ビルベリー)、赤ブドウの皮などに、強い抗酸化作用を持つポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。すでに、ヨーロッパではアントシアニンは、眼精疲労(疲れ目)や糖尿病網膜症、夜盲症といった眼の病気を改善する医薬品としても用いられています。このアントシアニンの配糖体が、網膜にも良い働きをするためです。
網膜には「ロドプシン」という色素体があり光をキャッチすると分解され、瞬時に再合成されます。アントシアニンは、このロドプシンの再合成を促す作用があり、眼の疲労を回復させて視力を維持し、視界を明るくする働きがあります。


3)眼や血液を健康にする有効成分

眼は、極めて細かい血管で栄養され、その血流が障害されると視機能をつかさどる網膜や黄斑部、視神経などの組織に著しい悪影響を及ぼし、糖尿病網膜症や加齢性黄斑変性症、網膜の血管閉塞症や緑内障などの 病気を発生させ、さらに、悪化させることがわかっています。
  このため、眼を栄養する微細な血管の血流を改善するための有効成分の継続摂取が、眼と体の成人病の予防に非常に大切です。
(1)DHA・EPA(ドコサヘキサエン酸・エイコサペンタエン酸)
DHAとEPAは、イワシやサンマ、アジ、カツオ、マグロなどの青背魚類に多く含まれる不飽和の必須脂肪酸で、体内では合成できません。低温でもサラサラして固まらず液体を保つ性質から、血流をスムーズにして動脈硬化の原因となる血中の悪玉コレステロールを増やしたり、中性脂肪を低下させたり、血栓ができるのを防ぎます。また、眼の組織、特に網膜の脂肪組織は約80%以上がDHAによって構成されています。すなわち、DHAは脳神経や網膜、視神経などの重要な臓器に多く存在する神経伝達に関わる大切な栄養素なのです。そして、これらの機能を維持・活性化する効果があり、継続した摂取での視力の改善効果も報告されています。

(2)イチョウ葉エキス
イチョウは2億5千年前から地球上に存在している生命力の強い植物です。イチョウ葉の主な成分は「フラボノイド」と「ギンコライド」です。フラボノイドには強い抗酸化力で毛細血管を保護、強化する働きがあり、ギンコライドには血液の流れをスムーズにして血小板が固まるのを抑え、血栓の発生を予防する働きがあります。その強い抗酸化力により、活性酸素が過酸化脂質を作るのを抑え、脳の機能を活性化するので記憶力や思考力の低下、認知症、アルツハイマー病の予防に効果があります。眼にとっても、網膜の動脈硬化や血栓の予防にも有効で、糖尿病網膜症や加齢性 黄斑変性症、網膜静脈閉塞症、正常眼圧緑内障にも効果が期待されています。


4)抗酸化酵素の構成に必要なミネラル

(1)亜鉛
亜鉛は様々な大事な働きがあり、眼と体にとって非常に重要なミネラルです。すなわち、タンパク質の合成・免疫力の強化・インスリン等のホルモンの分泌を助ける重要な働きがあり、体内に存在する非常に強力な抗酸化酵素であるSOD(スーパーオキシド・ディスムターゼ)の構成成分にもなります。つまり、亜鉛がないとSODは作り出 されないのです。そして、不足すると細胞再生がうまくいかなかくなり、眼や皮膚・髪・爪などの健康が損なわれます。実際、加齢性黄斑変性症の患者さんでは、亜鉛の血中濃度が低下していることが判明しています。また逆に、亜鉛と共にビタミンCとビタミンEおよびβ-カロテンを併せて摂取すると、加齢性 黄斑変性症の発生と進行が抑えられることが米国の大規模な眼科的調査でも認められています。
亜鉛が多く含まれる食品は、海の「カキ」などの貝類です。さらに、牛肉・卵・レバーや玄米等の雑穀類です。尚、レモン等のビタミンCを多く含む食品と一緒に食べると吸収率が高まります。

(2)セレン
セレンは、前述のコエンザイムQ10という補酵素が体内で合成される時に欠かせないミネラルです。セレンなしでは補酵素が作り出されず、ビタミンEの働きを助け、体内で過酸化脂質を分解する強力な抗酸化酵素の働きを活性化します。セレンが不足すると抗酸化力が弱まり、過酸化脂質が増えて細胞の老化が進むので、動脈硬化・糖尿病網膜症・白内障が発生し進行する原因にもなります。基本的に肉や植物に含まれますが、サプリメントの原料としては一部の樹木(松の樹皮など)が挙げられます。


5)眼と体の代謝力をアップするビタミン

(1)ビタミンB1・B12
視神経や眼の筋肉の疲労を解消し視力低下を防ぐために、眼にとって大切な栄養素です。
ビタミンB1は眼と脳や神経系統を正常に保ち、眼の疲労回復に役立ちます。栄養バランスが不足しがちな現代の食事では、ビタミンB1不足による眼精疲労が非常に増えています。ビタミンB1は眼の神経組織にとって唯一のエネルギー源となるぶどう糖を体内でエネルギーに転換する際に必要な栄養素です。不足すると視神経に炎症が起こり、視力が著しく低下していきます。
一方、ビタミンB12は眼の粘膜組織を正常に保つ働きをしますので、不足すると角膜や結膜に炎症を起こしやすくなります。また、視覚情報が視神経を通る時の伝達作業をスムーズにする働きがあります。このため、緑内障による視神経障害の治療薬としても使用されています。ビタミンB1・B12は、豚肉やレバー等の肉類・ウナギやシジミ、アサリやイワシ、サバ等の魚介類の他、乳製品や玄米にも含まれています。

(2)ビタミンB2・B6
ビタミンB2は、脂肪の代謝を助け、動脈硬化を予防する働きがあります。また、皮膚や粘膜を守りますので眼にとっても重要です。特に、疲れ眼によって起こる眼の充血の解消や視力の維持に役立ちます。さらにビタミンB6は、タンパク質の代謝を助け、免疫機能を高めます。血液を作るためにも欠かせません。不足すると眼精疲労や眼の炎症を起こしますので、欠かさずきちんと摂りましょう。 ビタミンB2は卵黄や青背魚・乳製品などに、ビタミンB6はレバーや豆類・玄米等に多く含まれています。尚、ビタミンB群とビタミンCは水溶性です。このため、いくら摂っても使えない分は尿から排泄され、体内には貯蔵出来ないようになっています。また、一時期に大量に食べてもビタミン不足は解消されません。できれば毎日、一日2~3回に分け必要な量をきちんと欠かさず摂取して欠乏しないようにしましょう。
 

 

眼科治療としてのアンチエイジング

・老眼治療(多焦点眼内レンズがトピックスだが、今のところ保険適応がなく高価です)
・白内障手術もアンチエイジングのひとつ(眼が見えやすくなり気分や行動が活発となり得ます)
(近視矯正手術;レーシック、ラセック、フェイキックIOLも同様)
・加齢性眼瞼下垂および上眼瞼皮膚弛緩症
眼が小さくなった、瞼の皮膚がたるんで眼球の瞳にかぶるようになった、などの訴えを診た時に、手術を実施することで“眼がぱっちりと楽に開けれる”ようになります。外見上も若返ったように見えるようになりますが、瞼の皮下脂肪や皮下組織の量が個人個人によって異なるため、期待したよりもすっきりしないこともあります。

 

美容上の問題

気分が若返ることがアンチエイジングの領域ならば、美容整形術もアンチエイジングの中核となり得ます。
例えば眼の周りのホクロやシミ、イボ、シワを除去すること、二重瞼の手術や先にあげた加齢性眼瞼下垂の手術などが挙げられます。“上のまぶたが腫れぼったい”場合、眼輪筋および周囲組織の除去+余剰皮膚切除を実施することですっきりとして眼に形成する技術も進んでいます。やはり外見上の問題を治すことにかけては美容整形術が一番です。

 

#一部の文章を、“「眼科119番」名古屋アイクリニック院長:中村友昭先生著;日刊工業”および“「眼のアンチエイジング(1)白内障・加齢症黄斑変性症」むらかみ眼科クリニック院長;村上茂樹先生著;熊本日日新新聞社”より引用させていただきました。
#このコーナーは随時、追加いたします。